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掲示板 > 透谷年譜 > 小説「宿魂鏡」について


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1: Gudou
ニックネーム: Gudou
書き込み日時:2011/5/19 16:06:10
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2: Gudou
ニックネーム: Gudou
書き込み日時:2011/6/19 13:26:39
I様
小説「宿魂鏡」の評価が高くない原因をお尋ねでしたが、やはり小説自身に問題があると思います。透谷自身も自信作でないと語っていますが(藤村に)、テーマを急遽変えたことによる準備不足があったといえるかもしれません。アイデアによりかかってしまったところもあるのではないでしょうか。しかも、その着想は藤村の邦訳した「紅楼夢」にあったにもかかわらず。

この小説は下篇が主な舞台ですが、そこで展開されるドラマの必然性は上篇によって準備されていなければならない。にもかかわらず上篇の構図はあまりにも手薄であった。下篇で交わされる芳三と弓子の濃い恋情は、土台としての上篇から導き出されなければならないが、その濃度の構築が上篇で行われていないところにこの小説の不自然さと弱さがあるように思われる。

また、上篇の終わりに突然、〈古鏡〉が、しかも若い女性から出てくるところなども、アイデアによりかかった不自然さが表われているのではないでしょうか。

透谷は評論や随想のような思索の深さ、鋭さを問うようなものにその特性が発揮されている。作家として生きるには小説も書かなければならない、という厳しさに直面した作品であったといえるのではないでしょうか。


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